plus coffee’s diary

カフェ開業に向けた奮闘記

1.5年かけて作り上げたDISCOVERYでのコーヒー焙煎プロファイル

フジローヤルのコーヒー焙煎機DISCOVERYを購入してから1年半近く、来る日も来る日も焙煎に勤しみ、焙煎の検証に費やした数は気付いたら500回オーバー。いくつかのセミナーを受けたりネットや書籍の情報を参考に色々試してきましたがそれでも全然出口が見えず何度となく心が折れかけましたが、やっと、本当にやっと満足のいく味を出す焙煎プロファイルに辿り着きました!諦めなくてよかったです、しみじみ。。

特定の人につかずに一人で試行錯誤をしてきたのも要領よくできなかった原因かなとも思いますが、結果として色々と検証できたのは良かったかなと。せっかくなので、ここに解決に至るまでの過程やできあがったプロファイルの特徴だったりを残しておこうかと思います。

その前に私が目指した味ですが、浅い・深いという焙煎度にはあまりこだわりはありません。どのような焙煎度でも、飲んだ後の雑味や嫌な苦味のないクリーンカップであり、それでいて甘みやボディに厚みがあってアフターの余韻が長く残るようなコーヒーが目指す味です。

この味を目指して試行錯誤を続けるも、一番解決に時間がかかった大きな大きな壁は生焼け、芯まで火が十分入らなかったことです。グラッシー、青草、植物臭のような風味が出てしまっていた問題の改善で、この解決までに1年近くの時間を使ってしまいました。。

この問題はエチオピアの豆で最初にぶち当たりました。色々とプロファイルをいじってみるのですが全然解消されず、そうなってくるとこの風味が生豆由来の欠点なのか、焙煎欠点なのか、もっとすると別に欠点ではなく一般的には好ましいものなのではないかなど、本当に一人晴れない霧の中にいる気分でした。

有識者と同じ焙煎環境で焙煎プロファイルを共有して、結果のカップも共有して解決策を探る、教えを乞うというのが最善の策だとは思いますが、頼れる人もいないなか、そうなるとお金を払って有識者な方に自宅に来てもらったりなどあるとは思いますが、そういった方法の選択には踏み切れずに解決まで時間がかかりました。

生豆を購入しているところに問い合わせて生豆由来のものなのか問い合わせたり、サンプルローストのプロファイルを教えてもらってその通りに焙煎してみたり(たまたまDISCOVERYでサンプルローストしているとのことで)しても改善できず。

試したこととしては、いくつかの焙煎セミナーなどで教えてもらった焙煎プロファイルや本で紹介されているようなプロファイルをベースに、ドライングフェーズ、メイラードフェーズ、ディベロップメントフェーズごとに火力やダンパーを少しずつ変え、そして網羅的に色々なパターンで試したり、更には各フェーズの中でも細かく火力、ダンパー調節を試したりとやりましたが、結果全てダメでした。

ただ唯一?変えなかったところは、、スペシャルティコーヒーを扱うということでフレーバーの最大化をしなくてはという思いが強く、「短時間焙煎」という部分にはメスを入れられませんでした、最後の方まで。この変なこだわりが私の環境ではDISCOVERYではよくなかったかもです。

では、このこだわりを打ち破るに至った検証アプローチについてですが、火力やダンパーはほぼ一定に、中点を(投入温度を)徐々に下げ生焼け風味が出ないようにならないか、というものでした。

生焼け・芯に火が通っていないということは、豆に与える熱量が足りないためで、総熱量を増やすためには火力を上げるだけでは焙煎時間が短くなって総熱量は増えないため、中点を下げて火力を上げるという考えからです。

ただ、火力を強くしすぎると焦げの風味も出てきてしまったため、最終的には火力はそのままに中点だけを下げる(=焙煎時間を長くする)方向で試したら生焼け風味が絶対的に解消できた、ということです。

これは今までの私の焙煎からすると極端に中点が低く、さらにトータルの焙煎時間も15分オーバーと短時間焙煎とはかけ離れ、一般に知れ渡っているようなスペシャルティコーヒーの焙煎方法のトレンドにのっていないということで、これで大丈夫かと疑心暗鬼にもなりましたが、それでも1年近くも悩んだ生焼け風味の解消というインパクトは私にとって相当なもので、焙煎機や焙煎環境によって焙煎結果は異なるし、焙煎方法に正解はないと自分に言い聞かせるように私にはこの焙煎アプローチが正解だ、このプロファイルをベースに味を作り上げて行こうと決めました。

生焼けが解消できても甘みやボディの厚みが全然足りなかったのでそれからも試行錯誤は続きましたが、それでもそれまでの生焼け解消のための検証に比べればかなりスムーズにことが運びました。きっとそれまでに色々検証した結果から培った、こうすればこうなりやすいといったイメージが頭の中にできたからではないかと思います。なので苦しみも無駄ではなかったと今ではしみじみ思います。

最終的なプロファイルとしては、生焼けを解消できた時のドライングフェーズの時間を保つよう中点を上げる代わりにその間の火力を落とし、ダンパーは一番豆に熱が伝わっていると思われるニュートラルよりも若干閉じ気味に。閉じすぎるとうまく水が抜けないからか、抜けた水が豆にまとわりつくからなのか、青臭さが残る仕上がりになることが多かったです。

水が抜けてからは火力を上げますが、甘み・ボディー感を高めるために私はここでダンパーを閉じます。感覚的にはより芯に火を通すことによって甘味が増すようなイメージです。

そして、1ハゼ時の水分蒸発等による温度上昇低下を防ぐように、1ハゼを迎える前に火力をさらに上げディベロップメントフェーズを過ごします。こうすることでフレーバーの発達を促すイメージです。ダンパーを閉じたままではクリーンカップにならなかったため、ダンパーも大きく開ける感じです。

焙煎終盤は火力を抑えて温度上昇を抑えつつ、最後も十分に芯まで火を通すイメージで、狙ったタイミングで排出に至ります。

排出タイミングによっても味は大きく変わってくるため、ここも何通りも検証をして、豆ごとに自分が最適と思うタイミングを探し当てて排出する焙煎度合いを決めます。

ここまで辿り着くまでに要した焙煎練習期間は1年半、焙煎回数にすると500回以上。とってもとっても大変でしたが、それゆえに出来上がったコーヒーは格別なものです。

とはいえまだまだもっとおいしいコーヒーができるかもという探究心は衰えていませんので一生焙煎の検証は続きそうです。

ただ、このタイミングを一つの区切りとして、オンラインショップをオープンいたしました! 2年前は素人だった私でも色々と勉強したり、焙煎においてはほぼ独学でもここまでできるんだというところを気になった方は見ていただければと思います。

最終的にはコーヒーの美味しさや楽しさなど、心地の良い「プラス」となるひとときをお届けできるようコーヒー豆販売の店舗を構えたいところですので、今後は焙煎の他にも抽出の検証も進め、店舗物件を探すことにもトライし始めようかと思っています。

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